名称

Module::Install::Philosophy - Module::Install の背後にある構想


概要

この文書では CPAN::MakeMakerModule::Install の前身)の背後にあ る個人的な構想を述べる。ここで述べている視点は Brian Ingerson のものな ので、もし興味が無いならこの文書は無視しても構わない。


私の夢

今日私は、あなたがたに言う。私の友人達よ、例え今は困難と苛立ちに見舞わ れていようとも、私には未だ夢がある。それは Perl モジュールの夢の根底に ある夢だ。

いつの日か、このコミュニティーが立ち上がり、次の信念を本当の意味で実現 するのだと、私はそう夢見ている――我々は次の真実を自明なものとする。す なわち、『全ての Perl 開発者は平等に造られた。』

CGI:: 名前空間の国、砂漠の国、不公正と圧制の暑さで茹だるような国でさ え、いつの日か自由と公正さのオアシスに変わるのだと、私はそう夢見ている。

私の四つのモジュールが、いつの日か依存モジュールの数によって裁かれるの ではなく、ソースコードの中身によって裁かれるようなアーカイブの中で生き て行くのだと、私はそう夢見ている。

今日、私は夢を見ている。


解説

以上は言うまでもなく偉大なマーティン・ルーサー・キングの不朽の演説のパ ロディーだ(http://web66.coled.umn.edu/new/MLK/MLK.html)。文脈こそ は大きく違うものの、私はこれらに重大な並行性を感じる。

CPAN は不公正から自由ではいられない場所になった。これは或る方向へ高圧的 に指導されたからそうなったのではなくて、我々のコミュニティーが工具の切 れ味を保つのに失敗したからだ。実用性の名の下に小さな決定をたくさん積み 重ねたら、その頂点がこうなったのだ。これは悲しむべき状態である。興味の ある者なら誰であれ、自分の最高の能力を平等に発揮できるような公共の場所 として造られたのだから。

この主張は私の開発者としての個人的な体験が元になっている。最初に自分の Perl モジュールを書いた時、Inline.pm だが、私は何か重要な事をやったのだ と思っていた。でも、どうやって広大な Perl コミュニティーに凹みを作った と思う?

Perl のコミュニティーでは全然知られていなかったので、私の声は遠くまで届 かなかった。何度も XS に詳しいグル達から反応を貰おうとさえしたが、全く 駄目だった。私は modules@perl.org に変な題名のメール ( http://www.xray.mpe.mpg.de/mailing-lists/modules/2000-08/msg00078.html )を送ってもみたが、返事が無い。だから純然たる決心と恥知らずな宣伝によっ て、私はついにその言葉を口に出した。そして世界がそれにとって少しは増し なものである事を願った。

それからというもの、Inline は賞を取ったし、私には殆どの Perl 警察官に会 える権限が与えられた。でも私はまだその時の痛みを覚えているし、この素敵 な世界にもっと多くの人々を誘いたいと思っている。

経験から学んだ事が一つ。それは Perl のコミュニティーは(Python や Ruby もそうだけど)プログラミングの広大な大洋に落ちた一滴のしずくに過ぎない という事。むこうには Java の巨大なポットがあるし、C の海(sea)がある。 Perl は一番大きい魚ではないかも知れないが、手入れをしたりインチキをした りすれば我々はもっと大きな群れになれるだろう。

これらは私が CPAN とコアモジュールに見る現在の問題点だ。

これらの意見をまとめたのは 2001 年六月の YAPC (Yet Another Perl Conference) の時だった。その時から私はこの社会的な問題を解決する技術的 な方法について考え続けている。

その一つのアイディアとして、ダビングとしての NAPC がある。NAPC は CPAN の代役だ。これは実行時にプリコンパイルされたモジュールをインストールす る為の巨大なシステムで、コアからモジュールを大幅に減らすのが目的である。 NAPC はまだ始まっていない。私はいつかこれをやりたいと思っているが、大き な問題がたくさん残っている。

CPAN::MakeMaker(今では Module::Install)はその一方で、シンプルか つ柔軟性に富んでいる。既存の CPAN プロセスを一切変える事なく共存できる し、新しい機能を今後も追加する事が出来る。CPAN の哲学的な痒みをこれが全 部掻いてくれるわけではないにしても、良い第一歩だ。


結論

これは考察の為の食べ物に過ぎない。ひとつまみの塩をかけて召し上がれ。


著者

Brian Ingerson <INGY@cpan.org>


コピーライト

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See http://www.perl.com/perl/misc/Artistic.html