_ sábado, 28 noviembre 2004 MacOS XでGStreamerを試してみる
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MacOS XでGStreamerを試してみる


gst-editorで極く普通のvorbis入りoggファイルを再生。oggdemuxでvorbisを取り出し、vorbisdecで生の浮動小數點PCMにデコード。それをteeで二つに複製し、片方はosxaudiosink、もう片方はaudioconvertで整數PCMに變換した上でsynaesthesiaに入れて畫像化（動畫）。生成された畫像をximagesinkで表示。


gst-playerでMotionJPEG動畫/音聲無しaviを再生。

GStreamerはUnixを主な對象としたプラットフォーム非依存の音聲/動畫 再生/製作 ライブラリです。周辺アプリケーションの多くはGNOMEに依存してゐるやうですが、GStreamer本體はGNOMEが無くても動作します。READMEにも記述されてゐるやうに最先端のものであり、まだまだ未完成、開發途上です。詳しい説明は既にjapan.linux.comに立派なものがあるので省きます。そちらを御覧下さい。
japan.linux.com: GStreamer概要

動作状況
・matroskademuxを使ひ、vorbisの入つたmkaを再生する事には成功しましたが、XviD動畫Vorbis音聲のmkvを再生しようとするとGStreamer内部エラーが出て音聲も動畫も再生出來ませんでした。また、matroskademux自體は字幕に對應してゐるやうですが、どうもまだSSA字幕のレンダラモジュールは存在しないやうです。レンダラさへあれば映像合成モジュールを使つた字幕の表示が出來さうですが…
・単純なOggVorbisファイルの再生にはgst-editorで難無く成功しましたが、oggdemuxのsrcが何故か一つしか無い爲に、Vorbis音聲、Theora動畫の入つたoggファイルを再生させようとした所、動畫しか再生出來ませんでした。(まあtheora動畫を再生出來る環境は私はコレしか持つてゐなくて、要するに初めての再生だったので感動はしましたが…）
・gst-playerは極く一部のファイルしか再生出來ません。ファイル形式を調べて適切なモジュールの組合せを行ふ部分が、まだ完成してゐないのでせう。

ビルドにおける注意点
Building note for MacOS X/Darwin

finkにあるものは古過ぎるのでCVS版を入れる事にしました。
The packages in fink are far too old, so I decided to install a CVS version.

・理由は良く分かりませんが、環境變數MACOSX_DEPLOYMENT_TARGETを"10.3"に設定した上でgstreamerとgst-pluginsをビルドしなければ、gst-registerの實行中にdyldがエラーを出してプロセスがハングアップします。もしzshを使つてゐるなら以下のやうにしてビルドして下さい。
・If you don't set a environment variable MACOSX_DEPLOYMENT_TARGET to "10.3", dyld will show an error and hang up while you're running gst-register. I don't know why. If you're using zsh, building instruction will be like this:
% MACOSX_DEPLOYMENT_TARGET=10.3 ./configure
% MACOSX_DEPLOYMENT_TARGET=10.3 make
% make install

・畫像の表示をX11經由でなくCocoaウインドウで行ふosxvideosinkモジュールがありますが、これをインストールするとgst-registerの實行中に以下のやうなエラーが出てハングアップします。（私の環境ではさうなりますが、多分作者の環境では動くのでせう…）
・gst-plugins has a module "osxvideosink" which shows images in a Cocoa window instead of X11, but when it is installed, dyld shows the following error and hangs up while running gst-register. (Although it doesn't work in my system, it might work in the developer's one...)
objc: cannot unmap an image containing ObjC data

gst-pluginsのconfigure時に--disable-osx_videoを指定してosxvideosinkモジュールのビルドをやめるか、インストール後にlib/gstreamer-0.8/libgstosxvideosink.{so,la}を削除すれば回避できます。osxvideosinkが使へなくてもximagesinkは使へるので、動畫の再生が出來なくなる譯ではありません。
この問題が起きてゐるのは私の所だけではないやうです
You can avoid this problem by doing ./configure --disable-osx_video for gst-plugins to disable it, or removing lib/gstreamer-0.8/libgstosxvideosink.{so,la} after installation. Even though you don't have this module, ximagesink still works. It doesn't mean you can't play videos.

・diracをインストールした状態でgst-pluginsを./configureするとdiracのエンコーダ/デコーダモジュールがコンパイルされようとしますが、現在このモジュールは壊れてゐてコンパイル出來ません。--disable-diracで無效にして下さい。
・If you have dirac in your system when you run ./configure of gst-plugins, a dirac encoder/decoder module will be tried to compile. Since this module is currently broken and doesn't compile, you have to pass option --disable-dirac to disable it.

感想
　OggVorbisは勿論TheoraやFlac、Matroska、MusePack、TTAと云つた最新のコーデックやコンテナの數々に既に對應してゐる現状。そしてoggやMatroskaの登場以來コンテナと云ふものの重要性が高まつてきた時代に、當然のやうにコンテナとコーデックを分離した構造。新たなコーデックやコンテナが現れてもGStreamer用のモジュールを誰かが一つだけ作ればGStreamerを使ふ全てのアプリケーションから利用可能になる効率の良さ。コーデックに限らずイコライザやスムーズフィルタと云つた音聲や畫像に對するフィルタも完全に獨立したモジュールとして提供されてゐる事。C言語でありながらGlibの提供するオブジェクト指向の上に構築されたライブラリ。どれを取つても將來性は極めて高く、今はともかく將來はmplayerやxmmsをも時代遲れにしてしまふ可能性を持つてゐます。GNOMEコミュニティはいつもいつも本當に良い仕事をしますね。

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